広島城のふもとに広がる「基町」は、広島がはじまった町、「基(もと)いの町」としてその名がつけられています。町としての歴史は安土桃山時代にまでさかのぼり、江戸時代には武家屋敷が建ち並んでいました。時がうつり明治時代に入ると、広島城には軍の司令部が置かれました。さまざまな軍の施設が建ち、西日本における軍事中核地となります。そして1945年8月6日、原子爆弾の投下により、爆心地から半径2km以内に位置する基町は壊滅的な被害を受けました。
終戦後、国有地となった基町には、戦災者や外地からの引揚者のために市営・県営の木造応急住宅が建てられ、そこに入りきれない人々は旧太田川沿いにバラック住宅を建てて暮らしました。復興事業が施されながらも、抜本的な住宅環境の改善にはつながらず、1968年から1978年にかけて実施された基町地区再開発事業において、現在の広島市営高層アパートと広島県営長寿園高層アパートが建設されます。
「この地区の改良なくして広島の戦後は終わらない」と言われた基町は、広島の復興を象徴する町といえます。基町が歩んできた道のりは、広島の歴史そのものであり、また復興のプロセスと重なります。
【参加作家】
久保寛子
鹿田義彦
寺江圭一朗
平野薫
古堅太郎
【展覧会概要】
展覧会 「基(もと)いの町」
会 期
後 半 2021年12月4日(土)ー12月12日(日)
*前半(11/6〜21)は参加作家のこれまでの作品を紹介し、後半(12/4〜12)はそれぞれが基町で⾏ったリサーチの過程を共有します。
休場日 月・火曜日
時 間 12:00ー17:00 (最終日は15:00まで)
観覧料 無料
会 場 M98〈make〉*M98の隣の会場です。
主 催 まほらプロジェクト
共 催 基町プロジェクト
協 力 オルタナティブ・スペース・コア
https://www.mahoraproject.com