【ひろしまアニメーションシーズン✖️ひろしまアートシーン(レポート:1)】第2三沢コーポオープンデー
2022.6.2(木)
今年から開催されるアニメーションの映画祭「ひろしまアニメーションシーズン2022」。
2022年8月に開催されるひろしま国際平和文化祭の中のメディア芸術部門のメイン事業として8/17(水)-8/21(日)まで開催され、今年がその1回目。
育成し学び合う「アカデミー」、表現を競い合う「コンペティション」、顕彰や評価を行う「アワード」の3本柱で実施され、
アステールプラザや横川シネマ、映像文化ライブラリー、GalleryGほか市内各地に展開します。
市民・県民の皆様や国内外から広島を訪れる方々に、豊かなアニメーション文化に触れる機会を提供し、
アニメーションを含むメディア芸術をフィーチャーした各種企画を通じて次世代の育成につながるものとしてスタートします。
そしてこの度、ひろしまアニメーションシーズンのイベントのレポートやインタビューなどを行い、
ひろしまアートシーンならではのコラボレーションを行うこととなりました。
ひろしまアートシーンのメンバーが交代でさまざまな記事をお届けします。
レポートの第一弾は2本立てでお送りいたします。1本目の記事は4/16(土)の鶴見地区、第2三沢コーポのオープンデーで行われたレジデンス作品上映会のレポート。
レポーターは第2三沢コーポ、雁と鶴オーナーの三澤正明さんです。
ひろしまアニメーションシーズン2022開催のちょうど100日前にあたる4月16日、ひろしまアーティスト・イン・レジデンス(以下、H-AIR)の招へい作家3名の作品上映が行われました。
上映場所は、4月15日にリノベーションが終わったばかりの暮らせるアートスペース「雁と鶴」。
真新しい白壁と木壁の中に剥き出しのコンクリートが残る、新しさと古さが味わえる空間です。
展示は、白壁に上映される映像を部屋の中央に数脚おかれたベンチに座って観る形で、
映像を観ながら川辺の新緑が窺えるなど、心地よい雰囲気での鑑賞でした。
鑑賞するまでは、アート作品の上映というのは少し難解で理解しにくいものなのではと思っていましたが、映像を拝見すると、
私たちにも覚えのあるような「日常の気まずいシーン」を集めた短編アニメーション作品や、
漢字を擬人化させた短編アニメーション作品(イランの方の作品というのが興味深い!)、
郷愁をテーマに作家の故郷と親族の移民先であるブラジルを舞台にした映像作品など、17分弱ある上映はあっというまに過ぎました。
部屋の隅には作家の紹介パネルが掲示されており、この場所に滞在されるウクライナ出身、
アメリカ在住のナタ・メトルークさん(以下、ナタさん)、
横川に滞在されるイラン出身のマフブーベフ・カライさん、
五日市のミナガルテンに滞在される呉市出身の是恒さくらさんについて知ることも。
5時間のみのオープンにも関わらず100名を超える方が訪れる盛況ぶりで、
アートイベントらしくアーティストやギャラリストなどアート関係者の方も多く来られましたが、
近所の小学生などアートに関わらない方にも多く来て頂けていたのが印象的でした!
来場者の方々にお話しをお聞きしましたが、
3名のアーティストが半年間広島に住むことに興味津々の方が多く、
「直接会える・話せるイベントはありますか。」という質問を何度もお聞きしました。
「上映作品についてお話ししてみたい」や「広島の良いところを話したい!」などの声があり、
作者が広島に住むということで作品だけでなく作家にも興味が出るのだなと感じました。
H-AIRという企画や招へい作家の皆さんを知っていただく機会として
この作品上映イベントを行いましたが、このイベントを通じて
私もこの場所でナタさんと交流できることがますます楽しみになりました!
雁と鶴はH-AIRのために作ったアートスペースですが、H-AIRが終了した後は広島のアート関係者の方々が交流できる場所にしたいと思っております。
当施設が入居する第2三沢コーポというビルもアート関係者が集まる面白いビルなので、ぜひナタさんが滞在中に多くの方に遊びに来て頂ければと思っています。
文 / 雁と鶴 三澤正明