【ひろしまアニメーションシーズン✖️ひろしまアートシーン(番外編)アートツアーwith H-AIR 2022.7末】
2022.10.12(水)
ひろしまアニメーションシーズンでは3名の作家が招へいされ、約半年ほど市内に滞在する「H-AIR ひろしまアーティスト・イン・レジデンス」を行っています。
2022年の参加作家は呉市音戸町出身の是恒さくらさん、イランからマフブーベフ・カライさん、ウクライナ出身で現在はサンフランシスコ在住のナタ・メトルークさん。
その3名が滞在している間に「広島のアートシーンを知ってもらおう!」という趣旨でツアーを企画することに。
ツアーナビゲーターは当サイトの松波静香とこれを書いている平石もも。
その様子をお届けいたします。
この日、午前中3人は比治山大学での特別講義を行っていたので、ツアーは午後からスタート。
まず向かったのは、デザイン事務所です。
1. IC4DESIGN
並木通りにあるビルを登ると、カラフルで楽しげな場所が現れ、代表のカミガキヒロフミさんをはじめ、社員の皆様から滞在中のアーティストまで国際色も豊かな面々がお出迎え。
ここはイラストレーションとデザインの会社。
広島市内でも「見た事がある!」と思うデザインもあれば、グローバルにも大活躍されています。
例えば広島だとTheTrunkMarketのフライヤーや、パルコのキャンペーンビジュアルなど。
さらにNYタイムズや国連(!)、世界の美術館でもイラストレーションが展示されたり、絵本は30ヶ国語以上に訳されていたり、ゲームアプリもリリースしています。
絵本「迷路探偵ピエール」はウクライナ語版も出版されている、とナタさんに説明するカミガキさん。
ウクライナの子供たちに自分たちの絵本を配りたいと思っているそう。
戦争の影響で物資を輸送することも難しくなっているので、もう少し落ち着いたら。と話します。
マフブーベフさんは日本語の名前の意味にも興味があるという話をしながら
カミガキさんの名前をペルシア語で披露。
「かっこいいからこのままTシャツにしたい!」と喜んでいました。
手がけた仕事の数々にとどまらず、自作のフィギュアや楽器と遊び心にも溢れた事務所は、くつろいで話に花を咲かせたくなります。
会社のあたたかさとスタッフとの結束力の強さも感じられる場所。
IC4DESIGNの皆様ありがとうございました!
2.広島T-SITE 広島 蔦屋書店
次は西区へ移動して蔦屋書店。
市内でも規模が大きいこちらの書店は美術書も多く、何よりブックコンシェルジュのコーナーがあるのも魅力。
アニメーションのコーナーも展開中だったり、「アニメーションサロン2」でもお世話になっています。
日本のグラフィックデザインが好きで、横山裕一さんのファンというナタさんにはデザインブックのコーナーをチェック。
実は広島滞在初日にもすでに私とこの場所を訪れている是恒さん。
この日はリトルプレスのコーナーで気になる本を発見。
日本語や漢字の意味に興味のあるマフブーベフさんは日英の翻訳のある漢字の本を。
気がつけばそれぞれの興味に沿った本を入手。
「ぜひみなさんにお会いしたいです!」とアニメーションシーズンのコーナーを設けてくださる担当の犬丸美由紀さんは、この日をとても楽しみにしてくださっていました。
店長の江藤宏樹さん(お休みのところ来てくださいました)も笑顔で迎えてくださり、さらに書店員の方々を巻き込んで一緒に本を探す場面も。
何時間でも眺めてしまいそうですが、まだまだ次があるので移動です。
広島 蔦屋書店の皆様ありがとうございました!
3.THE POOL
次は千田町に移動して現代美術ギャラリーのTHE POOLへ。
この日は広島市立大学芸術学部 現代表現領域に所属する学生9名によるグループ展示
FLAT CITY 2022 (2022年度 現代表現領域 地域展開型芸術プロジェクト)を開催。
オーナーの香村ひとみさんに作品の説明を聞いたり、作品を探したり。
この壁の色も実は作品。資本主義の象徴の色だそうですが、確かに日本人だとこの色が何を意味するかすぐわかりますが…
どう説明するかというところで自分の英語力が問われますね。
突然大所帯で行ったにも関わらずありがとうございました!
(記念撮影を忘れました。)
4.gallery G
もう説明は不要かとは思いますが松波さんの勤務先でもあるgalleryG。
5月には「ひろしまアニメーションシーズン2022開催記念 ひろしまアーティスト・イン・レジデンス(H-AIR)招へい作家紹介展 Hello!ひろしま」の紹介展示も行われた場所でもあります。
着くなり思わず皆が声をあげてスマホで撮影してしまうのは巨大な木彫作品。
ギャラリーG+広島市立大学芸術学部(彫刻)尾身大輔個展「空想と虫籠」。
公開空地にも巨大な虫が鎮座して通行する人のアイキャッチも抜群。
まるで自分たちが小さくなったような印象と、ギャラリーが虫籠に見立てられたような空間。
ディティールも楽しみました。
翌日にワークショップを控えたマフブーベフさんはここで離脱。
そしてひろしまアニメーションシーズン、アーティスティック・ディレクターの宮﨑さんが合流。
すっかり夕方になったのでご飯を食べに、ここはやはり抑えておかねばなりません。
音楽喫茶ヲルガン座。
アンダーグラウンドイベントや、ライブに展示と日々多彩なカルチャーが産まれていく場所です。
オーナーのゴトウイズミさんも加わり話に花を咲かせていると
突然、特殊メイクにマスク、に真っ白なドレスの人物が登場。
そうでした。4階の廃墟ギャラリーでは
美音異星人写真集” Mask Girl”記念Exbitition が開催中なのでした。
初見でナタさんが硬直していたのが平石的には忘れられません。
食後に皆で恐る恐るギャラリーに上がると、見た目とは裏腹にとても丁寧に美音異星人さんが案内。
ドレスは全部マスクでできていました!
午後から5か所を巡る、詰め詰めなツアーではありましたが
ひろしまのアート&カルチャーの一端を見ることができていたらなと思います。
さまざまな表現活動をしている場所や人がクロスオーバーしているのがひろしまの面白さだと思います。
場所が面白いのはそこにいる”人”が面白いから。
ごく当たり前のことですが、今回のツアーではそういった人に会いにいくような距離感の近さも感じてもらえればと思いました。
観光名所とはちょっと違った面白い場所を巡る時はぜひ「ひろしまアートシーン」をチェックしてどんな展示が開催されているか見てみてください!
(結局ステマのような締めくくりですみません。)
平石もも(ひろしまアートシーン/ひろしまアニメーションシーズン)