「増山たづ子展-ふるさとが消えていくこと-」
2026.10.10 sat - 2026.11.29 sun
11:00~17:00(Last day~16:30)
カメラを持つとイラはむちゃくちゃになるで。
本展で紹介する増山たづ子は、水底に消えゆく運命にある自身のふるさとを生涯撮影し続けた人物です。彼女が遺したアルバムには、溢れ返るほどの写真が断片的な映像のように並んでいます。それはまるで、彼女がふるさとで歩んできた日々の記憶の姿そのものかのようです。
彼女はプロではありませんでした。しかし彼女にとって撮ることとは、ただ慰めや趣味とは到底呼び難い、
あまりにも切実で止むに止まれぬ行為であったことを写真が物語っています。
稼ぎを得るためでも名を残すためでもない、ただ生きるために必要だった彼女の営みの情熱は、
写真という形に焼き付けられ今も大切に保管されています。
増山の写真は今を生きる多くの私たちにとって、それがひたすらに見知らぬ場所を写したものであるにも
関わらず、一人ひとりに「ふるさと」の存在を思い起こさせます。
心のうちにこそある、あたたかな太い根のようなその存在を、彼女は「消えていく」という経験を通じて
いっそう激しく感じました。
本展は、そうして生まれた写真一枚いちまいがもつ魅力と、それらが織りなす「記憶の在り方」としての
写真群の存在感に迫ります。彼女が遺した写真たちに出会うことで、あなたが、あなた自身の「ふるさと」
と再び出会う機会となりますよう、願っております。
