譚大利 個展​「四祭」

譚大利 個展​「四祭」

2020.12.15 tue - 2020.12.23 wed

【作家からのコメント】

2020年は私にとって特別な一年間となり、コロナウイルスの蔓延が世界を変えてしまいました。一瞬にして世界は止まったように見え、私たちの行動はすべて間違っているように見えました。

私は中国の湖北美術学院壁画系漆芸研究科の教員を務めており、2020年は私の来日訪問学者として滞在しています。広島市立大学の漆研究科にて大塚智嗣教授の教鞭を受け、大変お世話になりました。 広島の一年間、日々漆の可能性を模索し研究してきました。湖北・武漢を拠点にして長年生活してきた私は、この特別な年の目撃者となり、四季の移り変わりを経験し不安と矛盾を感じました。亡くなった人々に対しての思いを今回の作品に込め、来日訪問学者としての一年間の滞在期間の最後に「四祭」という個展を開催します。日本は他の国よりも春夏秋冬の違いがはっきりしていると感じました。私の印象的な思い出として、この特別な年に「四祭」と名前をつけました。(中国語では四季と四祭は同じ発音です)

今回展示の作品は、「塵・光」、「屍言」、「時の糸」の三つのテーマに分かれています。

「塵・光」は近年制作に取り組んでいるテーマです。
三千世界、宇宙万物、「灰は灰に,塵は塵に」“ashes to ashes, dust to dust”、と聖書の創世記3章19節に記載されています。「塵」はとても不思議なもので、光を浴びると、命の重さと物質的なほこりの軽さが混り合い、一瞬一瞬の美しさに感動します。

「屍言」は、ミミズの屍体標本を主な素材としています。ミミズは湿気の多い暗い環境での生活を好み、皮膚を使って呼吸し、体を常に湿らせ土壌に含まれている酸素で生きる、光と熱が苦手な夜行性生物です。時に夏と秋の変わり目に動きが活発になり、昼になった頃に土に戻れなかった彼らは、陽射しのせいで命を落としました。時々思うのですが、人生はまるでミミズのようです。

「時の糸」は、拾ったものを集めて創った作品です。アルミワイヤー、木材、竹などを絡み合わせる、玩具がない幼い頃の大好きな遊び方で、こうやって沢山の玩具を作っていました。絡み方は、昔から今まで変わらず、玩具は遊べない作品となりました。

—譚大利

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