展示のお知らせ

羅 展鵬　個展  – LO CHAN PENG  solo show in Hiroshima –

「幽玄の夢」

 

この度は、台湾のアーティスト 羅展鵬 による特別企画展 「幽玄の夢」 を開催いたします。

本展では、広島という歴史的背景を持つ地において、戦争と平和、人間の葛藤をテーマにした作品群を展示。西洋の表現技法と東洋の精神性を融合させた独自の絵画表現を通じて、歴史の影と希望の光が交錯する世界を描きます。

絵具の層に刻まれた時間や、画面に宿る緊張感は、実際に目の前でこそ感じられるもの。ぜひ会場で、羅展鵬の作品が持つ圧倒的な存在感をご体感ください。

 

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会期：2025年4月15日（火）～20日（日）

時間：13:00～19:00 会場：LE METTE GALLERY 広島市中区大手町1-1-26 大手町一番ビル307号

「入場無料」

090-8889-8886

https://www.lemettegallery.com

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以下、作家様コメント

 

親愛なる皆様へ

このたび、広島の Le Mette Gallery にて私の作品を皆様と共有できることを、心より光栄に思います。

広島——人類の歴史に深い傷跡を刻んだこの街は、それと同時に、平和への願いを世界に向けて発信し続ける象徴でもあります。今日、戦争の影が再び世界を覆い始めるなか、私は本展 「幽玄の夢」 を通して、絵画を手がかりに戦争の残酷さと平和への渇望を探り、人間の歴史の中に刻まれた傷跡と希望の光を見つめ直す機会を皆様とともに持ちたいと考えています。
私は台湾に生まれ、幼い頃から芸術を生涯の道と定めてきました。かつて台北の山奥にこもり、ひたすら創作に打ち込み、コンクールの賞金を糧に世界中の美術館を巡り、巨匠たちの知恵を学びました。旅を重ねるなかで、私の作品は西洋の芸術的手法と東洋の精神性が融合し、独自の表現へと昇華されていきました。しかし、人生の大きな転機を経て、私は生のはかなさを痛感し、人間が抱える葛藤や矛盾に強く関心を持つようになりました。私の絵画に積み重ねられた絵具の層は、まさにその沈黙の叫びでもあります。

「幽玄の夢」 は、単なる個人的な芸術表現ではなく、広島の過去と、いま世界で起こる出来事への私なりの応答です。戦争は魂を引き裂き、平和は再生の微かな光です。
私の作品には、戦争の中に生きる子どもたち、歴史を動かした人物、そして歴史に埋もれた無名の存在が描かれています。
彼らはまさに、「歴史を変えた人々」であり「歴史によって変えられた人々」なのです。
少女や子どもをモチーフとすることで、私は神性と人間性、現実と幻想、服従と抵抗の狭間にある世界を描こうと試みました。それは、喜びと悲しみ、慈悲と残酷、生と死が交錯する 「人間の交響曲」 でもあります。

「幽玄の夢」 は、戦争の喧騒を超え、静寂のなかで探求する旅です。
ぜひ Le Mette Gallery に足を運び、絵画の筆致に刻まれた痕跡を辿り、沈黙の中に響く声を聴いてください。

キャンバスの奥に佇む魂に触れ、彼らの傷跡と夢にそっと手を伸ばしてみてください。
かつて戦火に包まれたこの地で、私たちがともに「幽玄なる夢」を紡ぐことができれば幸いです。

この貴重な対話の場を実現してくださった Le Mette Gallery に、心より感謝申し上げます。

 

羅展鵬
2025年3月