【レポート】「ひろしまアートシーンこうしよう!」(どうしようか座談会 vol.3)
2023.2.24(金)
日時|2023年2月5日(日)19:00~21:00
会場|gallery G(広島市中区上八丁堀4-1)
進行(ひろしまアートシーン運営事務局)|松波 静香(gallery G)
平石 もも(92 project)
山本 功(タメンタイ)
ウェブサイト「Hiroshima Art Scene(以下H.A.S.)」をきっかけとして、広島のアートシーンをより活発にしていくためのアイデアの発生と蓄積をはかる「ひろしまアートシーンどうしようか座談会」です。最終回となる今回は12名が参加。これまでの2回をふりかえりながら、今後も継続的に運営していくための作戦を練り、実際の動きへと繋げていくことを目標として開催されました。
今回のレポートでは、参加者の発言を箇条書きで整理してお伝えします。
※「参加者」は運営メンバーを含みます。
座談会vol.1-2をふりかえる
まず、これまでの座談会をふりかえり、印象に残っていることや考えたことを共有。生まれたアイデアを整理しました。
参考
▶︎【レポート】ひろしまアートシーンどうしようか座談会 vol.1
▶︎【レポート】ひろしまアートシーンどうしようか座談会 vol.2
ふりかえって
・H.A.S.を使う場面が人によっていろいろ違うということを知った
・能動的な意見がたくさんあったので、いろいろな人に参加してもらえる可能性があると思った
・メイン機能としての「展覧会の情報」を更新していくというのはできている
・情報が集約されているという面で情報発信の場としてのポテンシャルは高い
・書き手を育てる場としての可能性に気づくことができた
・印刷物とは違うウェブメディアとして「育てる」という意識が必要だ
・会場の様子や実際の出来事としてのアーカイブが充実できていない
具体的コンテンツアイデアのまとめ
全体について
・ギャラリーのそばのスポット紹介(食・建築など)があるとよい
・広島市だけでなく、尾道や福島などの周辺エリアの情報も充実してくるとよい
・美術館の情報も掲載していてほしい
・タグで検索できるようにすれば、記事を見つけやすくなったり、アートシーンの状況を分析することに役立てられる
・H.A.S.の参加ギャラリーが集まるリアルイベントがあったら楽しいと思う
記事(ARTICLE)について
・大学生などの書き手の発表の場として機能してほしい
・ギャラリー情報を掲載するだけではなく、アート関係者がふだん見ている広島の面白いところや身近なアートシーンを紹介する記事を書いてもらえるだけでもおもしろい(メールインタビューなどだと声が集めやすいのではないか)
・エリア別・ジャンル別などのまとめ記事があるとよい
・特に中心部から距離のあるギャラリーにとってはギャラリーがどんな場所か、周辺情報も含めた記事があるとよい
・全くギャラリーに接点がなかった人にとって、ギャラリーへ足を運ぶ入り口となるような記事があるとよい
・「はじめてギャラリーに行ってみた」という方の体験談を掲載したらどうだろう
・インタビューやレビューが充実しているとよい(アーティストがどんなことを考えているかとか、展覧会を見た人がどんなことを思ったかというのが知りたい)
・広島のアートシーンを考察する記事があるとよい
H.A.S.の編集・運営体制どうしたらいいと思う?
運営メンバーはサイト開設当初からの3名(松波・平石・山本)で、専従の編集者はいません。現状としてはH.A.S.は団体としてのかたちはなく、ゆるやかな運営体制をとっており、編集体制は、以下のようになっています。
EXHIBITIONS:掲載ギャラリーに自らによる投稿・編集
NEWS:運営メンバーで情報収集・投稿
ARTICLE:有志が執筆し、運営メンバーが編集・投稿
これまでの座談会をふまえて、H.A.S.のウェブサイトとしてのポテンシャルを発揮しながら、より長く継続させるために、今後H.A.S.の体制をどのように整えていくといいと思うか、意見を交換しました。
・現在の運営体制は外からはほぼ見えていないので、明確に示したほうがいいのではないか
・個々のギャラリーや有志のメンバーが記事の執筆に参加しやすいように掛け声を上げてはどうか(その後の手順も整理する必要がある)
・「連絡会」「ネットワーク」「プロジェクト」「実行委員会」「ワーキンググループ」というかたちで、まずはアメーバ的なゆるやかな運営組織をつくるのはどうか
・助成金や協賛などである程度の運営資金の獲得を目指し、記事の執筆依頼やサイトの仕組みの充実などを少しずつしていくのはどうか
・情報発信に留まらずイベントも行うなどして、県外や海外にもアピールしていくのはどうか
・個々のギャラリーが積極的にウェブサイトに参加している意識を持てるように働きかけてはどうか
・収益を得て専属の人をつけるなどしてしっかりとした運営体制を整えたほうがよいのではないか
・網羅的に情報を収集発信するのではなく厳選した情報だけを扱うという方法もあるのではないか
H.A.S.のめざすところ
座談会で意見交換する中で見えてきたH.A.S.がめざしたいところとは・・・?
運営メンバーの思いを整理してみました。
・長期的な考え方でウェブサイトを続けていく
・初見の方、県外の方を含め、より多くの方に見てもらえるサイトにする
・「H.A.S.を見て初めてギャラリーに行ってみた」という人を増やす
・展覧会の情報発信をするだけでなく、読み物として面白いものにする(書き手を育てられる場にする)
・社会的に意味がある場にしていく(将来的にサイト内のデータを検索や分析ができるかたちにする、そのためにもアーカイブの蓄積を充実させる)
・各所に多ジャンルの文化的な活動が重層的に存在しているところが広島のおもしろさでもあるので、一部に特化するのではなく広い視野で情報を収集・発信したい
こうしよう!
3回の座談会を通して、多くのみなさまと真剣に「どうしようか」を語り合い、運営メンバー、掲載ギャラリー・アーティスト・閲覧者、それぞれが期待するH.A.S.のかたちを知ることができました。また、まだ活かせていないH.A.S.の可能性を発見し、よりよいかたちに近づけるための具体的アイデアもたくさん生まれました。
まずは以下のようなことから早速実践していきます。
・運営はゆるやかな体制を保ちながら、記事の執筆にはいろいろな方に関わってもらえるよう定期的に編集会議を開き、運営メンバーから各所に呼びかけをし、記事の公開までの進行をしていく
・閲覧者の間口を広げる(広報ツールを作成して、ギャラリー・美術館・飲食店等、興味がある人の目に触れる機会を増やす)
・まずは広島市内の美術館に情報掲載に協力してもらえるよう働きかける
・不定期でH.A.S.に関心のある方が集まり交流できる場を作る(今回の座談会のように)
最終回をむかえた「ひろしまアートシーンどうしようか座談会」ですが、今後も「どうしようか」と試行錯誤を続けながら、広島のアートシーンの活性化に役立つよりよいサイトにしていければと思います。今後とも、ご協力、応援よろしくお願いします。
レポート:松波静香
写真:浅野堅一
関連記事
▶︎【レポート】ひろしまアートシーンどうしようか座談会 vol.1
▶︎【レポート】ひろしまアートシーンどうしようか座談会 vo.2
ひろしまアートシーンどうしようか座談会 vol.3
令和4年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業
事業名「街に介入する芸術、その公共性の議論を促すメディエーター養成プラットフォーム」
主催|広島市立大学 HACH (Hiroshima Arts&City Hive/広島芸術都市ハイヴ)
運営|ひろしまアートシーン運営事務局(gallery G内)