ゴールデンウィークは広島のギャラリーがアツい!?HAGW初開催の楽しみ方!【前編】
2023.4.25(火)
ひろしまのアートシーンを盛り上げるべく、昨年結成されたHAGW(ハグ)ことHiroshima Art Galleries Week とは一体どんな仕掛けをしているのでしょうか?
今回はそんなHAGWの展示やイベントを2回に渡ってご紹介します。
テキスト:平石もも(92project/ひろしまアートシーン)
そもそもHAGWって何?
そもそもHAGWって何?
広島地域のギャラリー周遊促進を目指し、ゴールデンウィークに合わせて広島市、廿日市市、福山市の全12会場で展示企画を行うアートイベント「Hiroshima Art Galleries Week 2023」を初めて開催します。
各施設での展示企画への来訪や周遊を促進する広報やキャンペーンを展開するほか、ギャラリーをめぐるツアーガイド企画や、記念グッズも準備中です。
この期間を通じて各ギャラリーに足を運んで、「広島にこんなにギャラリーがあったんだ」と、現在の生のアートシーンを直に感じてもらう機会となるでしょう。
開催に先立って、2022年12月17日(土)にはプレイベントとして第2三沢コーポのオープンデーにて “Have a good weekend!”を開催。
運営に関わる作家陣の小作品を詰め合わせた「HAGW BOX」をお披露目、販売しました。
また、2023年3月30日(木)から4月5日(水)には福屋八丁堀本店と連携し、「広島現代アートサロン2023 with HAGW」と題した紹介展示を行いました。
そして、いよいよ4月29日(土)より、メインの展示がスタートします。
まずはどんな展示があるのか、概要と、ギャラリーより一言おすすめポイント付きでご紹介します!HAGWのフライヤーに基づいた番号順でご紹介しますね。
HAGW期間中の12の展示
■すぺいすフラミンゴ「井手原敬一 小部屋の中の 小宇宙」
4/29(土・祝)〜5/7(日)
10:30-18:00
休館日:火
入場無料
広島市西区横川町1丁目5-23
オーナー:まつおあきさん「『古代と宇宙』を制作のテーマにする井手原さんの展示は小さな宇宙に誘い込む、陶作品の空間インスタレーション。搬入は徐々に始まっていても、私もまだ全容は見えていないのですが、絶対に面白い展示になります!」
すぺいすフラミンゴは横川ではお馴染みのギャラリー+カフェ カモメのばぁばぁの2階にある小さなお部屋を改装したギャラリーです。カモメのばぁばぁでも展示が行われているので併せてご覧いただけるという、1度に2度美味しい場所です。
■ラピスギャラリー「佐々木しず陶展」
2023/4/29(土・祝)〜5/7(日)
11:00〜19:00(最終日は17:00まで)休館日:なし
入場無料
広島市中区本川町2丁目1-9 川本ビル301
初日29日のみ予約制のため、下記からお申し込みください。https://www.lapistyle.jp/gallery/
オーナー:烏田泰史さん「毎回大人気の佐々木しずさん。シンプルなフォルムにいっちんという技法で描かれた繊細な模様が魅力の陶芸作品が300点並びます」
ラピスギャラリーは川沿いにあるので歩いていく道のりの景色も楽しめるロケーションです。初めはちょっと見つけにくいかもしれませんが、隠れ家を探すようにその扉を開けてみてください。
■L GALLERY
「MARCO MAZZONI マルコ マッツォーニ」
2023/4/29日(土・祝)〜5/7(日)
13:00 ~ 19:00
入場無料
広島市中区大手町 1-1-26 大手町一番ビル 307号
オーナー:ルメテ・アデリンさん「イタリアのアーティスト、マルコ・マッツォーニ氏の作品は、極めて緻密かつ繊細であり、日本の観客に披露することを誇りに思います。初めての日本での展示となりますが、彼の作品を心ゆくまでお楽しみいただけますよう、心よりお待ち申し上げております。」
L GALLERYでは広島と海外を繋ぐ場所としてのギャラリーとして注目を集めています。原爆ドームより徒歩1分という市内観光の間にも立ち寄りやすい場所。また、会期中は紙屋町にあるショッピングモール・ファッションビルのサンモール内でも「L x Sunmall Art Space Project 2023 #4」として展示があるので併せてどうぞ!
■オルタナティブスペースコア
「PUNK! THE REVOLUTION OF EVERYDAY LIFE HIROSHIMA」Alternative Space CORE
2023/4/22(土・祝)〜5/7(日)
11:00〜19:00 休館日:月・火
入場料:500円
広島市中区基町19-2-448
オーナー:久保寛子さん「広島のハードコア、基町アパートにてパンク文化を考察するまたとない機会をぜひお見逃しなく!」
ボリューミーなこの展示はじっくり時間をかけて楽しめます。オルタナティブスペースコアのある基町高層アパートは建築としても見どころ満載。同じ敷地内の基町プロジェクトが運営するUnitéでは「国際平和文化都市の基(はじまり)写真家明田弘司写真展」も開催中なので、過去の広島も知ることができます。ぜひハシゴしてみてください!
■gallery G 「河野令二 遺作展 木のかたち」
2023/5/2(火)〜14(日)
11:00〜19:00(最終日は16:00まで)
休館日:月
入場無料
広島市中区上八丁堀4-1公開空地内
スタッフ:松波静香さん「昨年急逝された河野令二さんの展覧会です。1975年に広島大学付属中・高等学校から教師としてのキャリアをスタートされた河野さんは、「木」を素材としてだけでなく、学習の題材としてとらえてきました。その生涯を通じて、教師として、また作家として、木と向き合い格闘しながらもユニークで遊び心あふれる作品を多く残しています。
今回の展示では、代表作となるさまざまな形の椅子ややじろべえなどを展示します。ぜひ会場で作品に触れ、そのかたちを体感してみてください。」
5/6(土)には14:00からギャラリートークもあります。さらに松波さんがナビゲーターを務めるツアーもHAGWにて開催されますが、それはまた後編の記事内でご紹介します。
広島電鉄「縮景園前」からすぐ、広島県立美術館の向かいなので、ここを基点に回るのもいいかもしれません。
■Hiroshima Drawing Lab「Art in Book」
本間あずさ、井原信次、江森郁美、手嶋勇気、福田惠、古堅太郎
2023/5/3(水)〜9(火)
11:00〜17:30 休館日:なし
入場無料
広島市中区鉄砲町4-5 ギャラリーブラック
オーナー:井原信次さん「今回は招待作家として製本作家の本間あずささんをお呼びしているので、その作品を機に、HDLメンバーが日頃から作ってみたくても作れていなかった本を制作しています。」
5/3(水)には13:00から本間あずささんによる製本ワークショップも行われます(要予約)。創作に刺激を受けたらお隣のブラック画材でのお買い物もおすすめです。また、徒歩5分で世界平和記念聖堂も見に行くことができます。
■タメンタイギャラリー鶴見町ラボ
加藤康司「時の刻みかた」
2023/4/29(土・祝)〜5/7(日)
11:00-19:00 休館日:なし
入場無料
広島市中区鶴見町9−6 第2三沢コーポ404
オーナー:山本功さん「1年半ぶりに広島で個展を行う加藤さんは、地域の古道具屋で手に入れた時計から物語を展開する映像とインスタレーションを発表します。」
ギャラリーの入居している第2三沢コーポはアーティストのアトリエや古書店などアート関連が集まっている場所。広島市現代美術館にも歩いていくことができます。さらにこの加藤さんが取材したお店(GWは5/1と2のみ営業)もご近所にあるそうなので、そちらにも足を運びたくなりますね。
■THE POOL「アニュアル vol.1 -Imaging-」
亀川果野、永井天陽、やんツー、前畑 裕司
2023/4/29(土・祝)〜5/20(日)
14:00-19:00 休館日:月
(HAGW会期後は日・月・祝)
入場無料
広島市中区東千田町2丁目13-18
オーナー:香村ひとみさん「ジャンルを超えた新作含めた作品群で、広島での初出展の作家(やんツー、前畑さん)もいる展示です。是非ごらん頂きたいです!」
THE POOLのある東千田町アパートメントはクリエティブなお店やアトリエが入居する場所なので、近隣もぜひチェックしてみてください。THE POOLの他の企画として、西区の広島 蔦屋書店でのフェア、ふれるアートつなぐアートvol.3「イメージとことば」が開催中。こちらにも亀川果野さんをはじめ、入江早耶さん、古川涼子さんという広島に縁のある作家さんの作品がご覧いただけます。
■広島芸術センター「遠いところ」
西松秀祐、野村由香、三ツ谷麻野
2023/4/29(土・祝)〜5/7(日)
13:00-18:00 休館日:なし
入場無料
広島市中区光南2丁目17−1 小中ビル
スタッフ:黒田大スケさん「広島芸術センターの展示はアートギャラリーミヤウチの展覧会「あたらしい場所」と連携しています。ミヤウチに出品するアーティストの内、3人のアーティストが今回展示し、アーティストたちが普段から取り組んでいる作品を見ることができます!7月までリレー方式で展示を展開していきますのでHAGWのあともご注目ください。」
広島市内でも少し遠い吉島にあるギャラリーですが、アーティストランスペースとして13年目を迎える場所です。吉島は2007年から2010年まで開催されていた「広島アートプロジェクト」があったエリアでもあります。
■アートギャラリーミヤウチ「あたらしい場所」
飯川雄大、木村桃子、黒田大スケ、津川奈菜、
友定睦、西松秀祐、野村由香、三ツ谷麻野、矢野恵利子
2023/4/27(木)〜7/2(日)
10:00-17:00(最終入館は16:30まで)
休館日:火・水(但し5/2,3は開館)
入場料:600円
広島県廿日市市宮内4347番地2
学芸員:今井みはるさん「今回は作家9名のうち、5名が約1ヶ月広島でリサーチや滞在制作をしています。広島在住の作家とあわせて広島をテーマに多様な作品を展示します!広島芸術センターの展示とも連動していますのでぜひ両方ご覧ください。」
4/29(土)には14:00からアーティストトーク、5/3(水)にはミヤウチと広島芸術センターを繋ぐタクシーツアーも行われます(要予約)。展示をより楽しめるプランと併せて参加してみると、作品の見え方が変わってくるかもしれません。
■スタジオピンクハウス
「ピンク喫茶+スタジオアーティストのコレクション展」
2023/4/29(土・祝)〜5/7(日)
13:00-17:00 休館日なし
入場料:500円(1ドリンク付)
広島県廿日市市宮内(アートギャラリーミヤウチの隣り)
スタジオアーティスト:諌山元貴さん「今回は僕ともう一人のアーティスト手嶋勇気さんが所有するコレクションと共にスペシャルなドリンク、そしてそこでチルい時間を過ごせる空間を提供します。」
アートギャラリーミヤウチの隣のアーティストスタジオでは何やら楽しげなHITOTOKIが過ごせるようです。アーティストがもてなす休憩時間をお楽しみください。
■SLAPアーティスト招聘プロジェクト vol.2 福田惠
「一日は、朝陽と共に始まり、夕陽と共に終わる」
2023/4/29(土・祝)〜8/6(日)
10:00〜21:00 休館日:なし
入場無料(コワーキングスペース tovio内の展示のみ観覧料550円)
広島県福山市西町1-1-1 1F
オーナー:菅亮平さん「今回の展示では会場が日々変化していくのが最大の特徴です。福田さんの呼びかけで集まったたくさんの”不要になったもの”がどんな風になるのか、何度でも足を運んでみてください。」
HAGWの中でも屈指の新しい会場、SLAPは駅からも近く、近隣の観光スポットからも徒歩圏内。会期も長いのでどんな変化が起こっているのか見届けてみてはいかがでしょうか?
以上が展示のご紹介でした!
これだけでもボリューミーですが、このサイトをご覧の皆さんは広島が結構ギャラリーがある、というのをご存知の方も多いかもしれません。
福山から広島市、そして廿日市市へと県内を横断するように連携した今回のHAGW、後編ではどんなイベントがあるのかや、結成の経緯などもお伝えします。