広島芸術都市ハイヴ|Hiroshima Arts & City Hive
[HACHForum01]「街に介入する芸術とその公共性を考える」
2022.6.18 sat
10:00-12:00(受付は9:45〜)
シンポジウム[HACHForum01]「街に介入する芸術とその公共性を考える」を開催いたします。
参加申込みはこちらから
HACHForum01は、コジマホールディングス西区民文化センターにて「街に介入する芸術とその公共性を考える」と題したシンポジウムです。広島市立大学の芸術学部による地域での取り組みの例を紹介したうえで、HACHを運営するメンバーから自身の関心や活動について話します。そのうえで、芸術について語り合う場を地域に開いていきたいと考えています。シンポジウムの後は場所を移して、HACHが地域と協業して場所づくりを進めようとしている横川ベース(JR横川駅北側)にて意見交換会をもちます。ポストコロナの状況で、生活の中での芸術を考え・再開していくための端緒にしたいと考えています。是非申し込みフォームにて連絡のうえ、お気軽にご参加ください。
【シンポジウムのプログラム 】
伊東敏光「風景と彫刻について」
広島市立大学芸術学部彫刻専攻では、2011年から長崎県対馬市で、2015年からは香川県小豆島町にて、地域でのリサーチと滞在制作に主眼を置いた継続的なアートプロジェクトを行なっている。彫刻の今日的な意味と可能性を模索するその実践について紹介します。
石谷治寛「現代の(アン)モニュメントとその繋ぎ手」
モニュメント(記念碑)の永遠性や堅牢性に対して、アンモニュメントは一時性や脆弱性や日用品の再利用を含んだ現代の立体空間表現を指します。街の公の記憶を分有するための芸術的営みの現在を内外の事例からみたうえで、その繋ぎ的(メディエーター)の役割に注目します。
イタイミナコ「人を介した風土のアーカイブ活動「ブンカケン」」
ブンカケンとは、イタイが日々人々から託される感動的な知をただただ必死に他者に伝える取り組みです。人の経験を集めるためのアクション、深めるためのディグ、広げるためのマッチング、そして他者の頭に「アーカイブ」するという一連のツーリズムについて語ります。
手嶋勇気 「ひろしまスケッチ」
画家の手嶋勇気が自身の作家活動について紹介します。広島で活動する中で作家としてどうモニュメントと対峙し表現しているかを振り返りながら、現在の広島とモニュメントとの関係性について考察します。
【話し手プロフィール 】
伊東敏光(Ito Toshimitsu)
彫刻家。広島市立大学芸術学部教授・学部長・研究科長。「風景彫刻」を研究テーマとし、歴史的にも作例が希少な風景をモチーフとした彫刻表現の創作を行う。2011年から長崎県対馬市で、2015年からは香川県小豆島町にて継続的なアートプロジェクトを先導し、地域の歴史や自然と芸術表現との新たな関係の構築に実践的に取り組む。
主な展覧会に「瀬戸内国際芸術祭2022,2019,2016」(香川県 小豆島町)、平昌文化オリンピックイベント「FIRE ART FESTA 2018 -献火歌-」江陵鏡浦海岸(韓国 江陵市)、「Taoyan International Drift-Wood Art Festival」The Fenghe Park (台湾 桃園市)などがある。
石谷治寛(Ishitani Haruhiro)
美学・芸術理論。広島市立大学国際学部准教授。京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員。十九世紀フランス美術と視覚文化に関する研究から、現代芸術における外傷記憶の再演、保存修復・継承・アーカイブの課題までを考察している。
主な著書に『幻視とレアリスム―クールベからピサロへ フランス絵画の再考』(人文書院)。共著に『アートセラピー再考』(平凡社)、共訳にクレーリー『知覚の宙吊り』(平凡社)、『24/7眠らない社会』(NTT出版)など。『MAMリサーチ006:クロニクル京都1990s−ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る』(森美術館)を共同企画。
イタイミナコ(Itai Minako)
1994年、地質学者と音楽家の間に生まれる。地域のポテンシャルをディグり見つけ出したものを「語り部」のような「彫刻(モニュメント)」のような事象となって他者に継承していくことで、人を介した「風土のアーカイブ」を実践している。
主な展示に「基町ブンカケン」展(広島市基町ショッピングセンター内オルタナティブスペースコア、2020)、「小豆島ブンカケン」展(小豆島町神浦コミュニティーセンター2020)、三原ブンカケン(三原市リージョンプラザ、2021)、爆ド宮島汽水航路ーコロナ禍におけるあそびのブンカケンー(廿日市市アートギャラリーミヤウチ、2021)、同居展(広島市基町アパートの一室、2021)。
手嶋勇気(Tejima Yuki)
1989年、北海道生まれ 。画家。写実絵画の技法研究と制作を経て、即興的でドローイングのような絵画を制作する。現在は土地の歴史的な文脈や文化的な文脈に自身が接続される試みとして「風景」を主な題材として描く。
主な展覧会に、「VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」 (上野の森美術館、2022)、「シェル美術賞展2020」(国立新美術館、東京)、「個展:ひろしまスケッチ」(ギャラリーG、広島、2020)などがある。ディレクションに、「原民喜 -かすかにうずく星-」(ギャラリー交差611、広島、2018)。受賞に、「sanwacompany Art Award / Art in The House 2021」グランプリ。
【HACHについて】
HACH (Hiroshima Arts&City Hive/広島芸術都市ハイヴ)とは、広島市立大学が文化庁の大学における文化芸術推進事業の助成を受けて、芸術と地域との繋ぎ手を担う人材を養成するための組織です。蜂が協業して一時的に巣を創りあげるように、私たちは空きスペースを見つけて場所づくりをして、芸術実践の可能性を広げていきたいと考えています。それを媒介する人たちをメディエーターと呼んでいます。
HACHのメディエーター養成の目標として、街中への芸術を使った公共介入(パブリック・インターベンション)を推進するための地域と芸術人材(作り手や支え手)との協業のあり方を社会実験していきます。そのために、文化芸術の歴史を調査して再認するためのアーカイブ文化醸成と情報発信に貢献できるひと、街に介入するためのマネージメントやリスク管理に配慮しながら様々な場所で展示設営できるひとの育成プログラムを予定しています。
HACHは、横川エリアマネジメント連絡協議会との協力を得て、AIR Hiroshima Galleryや横川ベースといった横川で開かれた管理スペースを活用する取り組みを開始し、そこを拠点のひとつに他の地域との連携を構築しながらレクチャーやワークショップを開催します。
このシンポジウムは、令和4年度文化庁大学における文化芸術推進事業として実施されます。