SLAP it Project(アーティスト招聘プロジェクト)vol.4 上村 洋一(Yoichi Kamimura)「Aquatic Garden」 スラップ / SLAP

スラップ / SLAP

SLAP it Project(アーティスト招聘プロジェクト)vol.4 上村 洋一(Yoichi Kamimura)「Aquatic Garden」

2024.4.27 sat - 2024.10.27 sun

10:00-18:30(入館は 18:00 まで)

入場料|550 円(税込)/ 各種イベントは別途有料

本展では、上村がこれまでライフワークとして取り組んできた、水や氷のフィールドレコーディングにまつわるアートワークに着目し、世界各地の水辺で取り組んできたフィールドレコーディングに加えて、瀬戸内海で録音したサウンドを組み合わせた新作のサウンドスケープ(音景)作品を展示します。

また会期中も旅先で録音されたサウンドが福山に送られ、サウンドスケープは更新されていきます。サウンド作品の他、会場内には上村が世界各地の旅先で見た風景を水彩で描いたドローイング作品や知床の流氷や瀬戸内海の島々が想起される陶器の立体作品なども展示し、会場全体を満たすサウンドスケープと呼応するかのように作品が介在する「Aquatic Garden(水上の庭)」とも呼ぶべき想像上の空間が創出されます。 


イベント① ライブ・コンサート「Aquatic Garden」

本展で発表する世界中の海で録音したサウンドをもとにしたライブ・パフォーマンスをオープニングイベントとして開催します。北海道の知床で流氷のフィールドレコーディングを上村と協同してきた、福山ゆかりのアーティスト若月聡作によるセッションが行われます。コンサート後は、上村によるギャラリートークとレセプションパーティーとなります。

出 演|上村洋一(SLAP招聘アーティスト)、若月聡作(アーティスト)
開催日|2024年4月27日(土)
時 間|17:00-19:00
場 所|iti SETOUCHI Cage
参加費|無料 (投げ銭制)/ 申込み不要

若月聡作(Sosaku Wakatsuki)
2002年生まれ。各地で採集した音や人工的な電子音、映像などを用い空間と時間の摩擦と流動性を探求している。インスタグラム:https://www.instagram.com/sousaku_wakatsuki/

イベント② ワークショップ「フィールドレコーディング in 鞆の浦」

かつて「潮待ちの港」とも呼ばれた福山市の海岸エリア「鞆の浦」に集合し、沿岸を周遊しながら波や風の音をフィールドレコーディングするワークショップです。

講 師|上村洋一(SLAP招聘アーティスト)
開催日|2024年9月7日(土)
時 間|10:00-13:00
場 所|鞆の浦海岸(集合場所は鞆の津ミュージアム)
参加費|1,500円 (定員7名)
協 力|社会福祉法人 創樹会 鞆の津ミュージアム、ローランド株式会社
※雨天決行(雨天の場合はレコーディングの内容を変更して開催します。)

イベント③ トークイベント「漂流する島々」

世界各地で旅を続けてきた上村に、本展で発表する作品をはじめこれまでの制作の軌跡についてお話を伺います。

登壇者|上村洋一(SLAP招聘アーティスト)
司 会|菅亮平(美術作家 / SLAP総合ディレクター)
開催日|2024年9月7日(土)
時 間|17:00-19:00
場 所|コワーキングスペースtovio
参加費|1,000円(ドリンク・軽食付き)

 

 

【招聘作家プロフィール】

上村 洋一(Yoichi Kamimura)

視覚や聴覚から風景を知覚する方法を探り、フィールドレコーディングによる環境音とドローイング、テキスト、光など視覚的な要素と組み合わせたサウンド・インスタレーションや絵画作品、パフォーマンス、電子音響作品などを制作し国内外で発表している。主な受賞などに “Phonurgia Nova 2023 – the honorable mention”( パリ , フランス , 2023)、”Sound of the Year Awards 2022″( ロンドン , イギリス , 2023)、”Prix Matsutani 2021″( パリ , フランス , 2022) がある。

ウェブサイト : http://www.yoichikamimura.com

 


 

【開催趣旨】


 「Setouchi L-Art Project / 略称:SLAP(スラップ)」(以下 SLAP)は、コンテンポラリーアートの企画・運営事業を行う団体として2022年に始動。これまでアーティスト招聘プロジェクトを継続的に開催しています。この度、SLAP it Project(アーティスト招聘プロジェクト) vol.4として、上村洋一氏による個展「Aquatic Garden」を、4月27日〜10月27日の会期で、iti SETOUCHI内のコワーキングスペースtovioで開催します。

 

 本展では、上村がこれまでライフワークとして取り組んできた、水や氷のフィールドレコーディングにまつわるアートワークに着目します。上村はフィールドレコーディングを「瞑想的な狩猟」と名付け、人間と自然との内的で精神的な繋がりを探求し、近年は地球温暖化の影響を受けている北海道知床のオホーツク海の流氷やフィンランドの太古氷河の痕跡、アイスランドの氷河、アマゾン熱帯雨林などのリサーチを元に制作を行っています。

 

 「Aquatic Garden」では、上村が世界各地の水辺で取り組んできた内容に加えて瀬戸内海で録音したサウンドを組み合わせた、新作のサウンドスケープ(音景)が展開されます。また会期中も旅先で新たに録音されたサウンドが福山に送られ、サウンドスケープは更新されていきます。​​会場内には上村が世界各地の旅先で見た風景を水彩で描いたドローイング作品や、知床の流氷や瀬戸内海の島々が想起される陶器の立体作品なども展示し、会場全体を満たすサウンドスケープと呼応するかのように作品が介在する「Aquatic Garden(水上の庭)」とも呼ぶべき想像上の空間が創出されます。

 会期中には、ライブ・コンサートに加えてトークイベントを開催し、上村のパフォーマンスとアートワークを共有する機会を設けます。また、ワークショップでは、本展に際して上村がフィールドレコーディングを行った鞆の浦で、サウンドを通じて日常に対する知覚の在り方を見直します。

 

 展覧会を開催する広島県福山市は、古来から港町として栄えた場所です。瀬戸内海の海流は、沼隈半島の先端に位置する鞆の浦を境にして潮の流れが逆転し、帆船での沿岸航海が主流の時代には、鞆の浦で潮流が変わるのを待たなければなりませんでした。「潮待ちの港」と呼ばれた福山は、遠く北海道や北陸から物資を運搬する商船が出入りするようになり、江戸時代には朝鮮通信使やオランダ商館長の一行が入港するなど国際都市の一面ものぞかせました。このように福山は瀬戸内を東西に繋ぐ場所であり、日本全国を繋ぐ場所、また日本と世界が繋がる交流の場所であったのです。

 

 海は国境によって隔てられず、地球全体を繋いでいます。そして、水という物質は常に流動的で、循環しています。上村が世界各地の水辺の環境と瀬戸内海をサウンドによって接続して立ち上げようとするビジョン「Aquatic Garden(水上の庭)」は、この地球に広がる私たちの世界のアナロジカルな箱庭(アーキペラゴ)であるかもしれません。旅を続ける上村の軌跡を通して、私たちの生の環境そのものを見つめることは、現代アートのイマジネーションの可能性を再考する契機になるでしょう。

 

 瀬戸内の文脈に根ざしながらアートプログラムを展開する、SLAPの新たな試みにぜひご着目ください。

 

 


 

【展覧会概要】

SLAP it Project(アーティスト招聘プロジェクト)vol.4
上村 洋一(Yoichi Kamimura)「Aquatic Garden」

会 期|2024 年 4 月 27 日(土)~ 2024 年 10 月 27 日(日)
時 間|10:00-18:30(入館は 18:00 まで)
会 場|iti SETOUCHI コワーキングスペース tovio
住 所|広島県福山市西町 1-1-1 エフピコ RiM 1F
入場料|550 円(税込)/ 各種イベントは別途有料
主 催|Setouchi L-Art Project(SLAP)
協 力|太進館、社会福祉法人 創樹会 鞆の津ミュージアム、ローランド株式会社、 福山電業株式会社
後 援|福山市、エフエムふくやま

 

 

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